3Dプリンター工芸
323工房は、考古学分野出身のものづくりユニット。
古代美術や神話、ときに文学にインスピレーションをもらいながら、
緻密な構造物、幻想的な生き物、またそれらを組み合わせ、立体作品を制作しています。
技法と方法
323 工房では、「光造形式3D プリンター」を用いて製作をおこなっています。
約0.05mm の厚みの樹脂を、数千層にも及ぶ立体版画のように積み重ねて出力することで造形される立体表現。
3D プリンターというと、データを作ってそのままプリンターのボタンを押したら完成、と想像される方が多いかもしれません。しかし実際には、ひとつひとつは決して同じようにはなりません。日によって少しずつパロメータを調整し、表面を必要に応じて磨き、ニスで仕上げしていきます。工業製品のような正確さや完全な仕上げは、この方法には(少なくとも、まだ)ないと言っていいでしょう。
3Dプリントの作品は、実際に版画のように、あるいは鋳造作品のように、原型から造形されつつも個体差があるものです。
ゆらぎのような不安定さがあり、そして独特の、石彫や骨のような質感があります。
新しいものづくりの技法と形として、可能性と魅力を感じていただければ幸いです。